私たち三和建設の社名の由来は、施主・元請・協力会社の「三者の和」、
あるいは、売り手・買い手・世間のいわゆる「三方善し」の精神を表すものだと言われています。
その意味において私たちは創業の時から社会的存在、つまり“社会正義の意識を強く持つ存在”であろうとする意志があります。
そして私たちは、社会へのレスポンシビリティについて次の3点を掲げています。
私たちは原則として下請工事を行いません。それはもちろん下請工事を軽視しているわけではなく、私たちは協力会社の力を借りつつ、あくまで「元請」としての役割を果たす立場であるべきだ、と考えているからです。
建設工事が請負契約に基づいて行われることは言うまでもありませんが、ただ契約を内容通りに履行するだけではなく、お客さまの「目的の真意」を深く理解し、その目的の成就、価値の実現に貢献したいと考えています。
私たちは、設計者と施工者のはざまにおける施主の負担やリスクを軽減するため、設計施工一貫方式を推奨しています。設計施工は請負人にとって大きな負担と責任を伴う契約形態ですが、お客さまの事業実現のためには最もふさわしいスキームである、と考えています。
建設に関する責任を、誰かに転嫁することなく、言い訳をすることなく、逃げることなく、まずはお客さまと正面から向き合って一手に請け負う。元請でなければその責任を果たすことはできません。
私たちは、品質保証や価値提供は私たち自身の永続によってのみ担保されるものであると考えています。
建物というものは、建てて終わりではありません。竣工して引き渡したその時から建物の役割がスタートします。少なくとも30年、あるいは50年以上使い続けられるものです。建物は何とか建ったとしても、引き渡し後の契約の履行、アフターメンテナンスや数年後の環境変化に対する改修の相談相手などを担うためには、会社とその能力を長期に渡って存続させる必要があります。
そして、協力会社やともに働く社員のためにも永続させる責任があることは言うまでもありません。
ひとには寿命があり、もちろん経営者や担当者としてのパフォーマンスには時間的な限界があります。しかしながら、私たちはその機能を長期に渡って持続させる必要があります。したがって私たちは、ひとをつくり続ける必要があるのです。
建設に関する技術は一朝一夕には身につきません。技術者の育成は一企業としての領域を超え、もはや日本全体の課題。
そんな状況下だからこそ私たちは、社内大学を通じて将来を担う人財育成に積極的に取り組んでいきます。
また私たちの採用活動は他社とは一線を画したユニークなもので、採用内定までに一人の学生と関わる時間は延べ200時間を越えます。
本気の採用活動で就職のミスマッチを防ぎ、若者の将来にコミットしていきます。
現代の経営論では、事業や顧客のセレクトが経営を効率化させるもの、として肯定されています。
利益が出ない仕事や顧客からは速やかに撤退すべきである、という考え方です。
しかしながら、私たちは「供給する側の責任」にいつも意識を置いています。ひとたびご縁を得て、そのお客さまに私たちが必要とされている以上、仕事の大小や難易度によって安易に選り好みせず、常に実現の可能性を追求してサービスを提供する。その責任を果たそうと意識してします。そして、それが多くのお客さまからの長きに渡る信用や、お取引の維持に繋がっている、と考えています。
また1995年の阪神淡路大震災では、お客さまや地域の災害復旧や復興に全社をあげて最優先で取り組みました。2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震でも、建設業としてできる支援活動を同業者のネットワークを通じて実施しました。
私たちが提供するスケルトン・インフィル工法によるエスアイ200は、資産価値を長期に渡って維持する独自のマンションブランドです。
それは長期的な視点を持ってのマンション経営に関する提案に他なりません。
また、お客さまからの要望は何でも聞くのかと言えばそうではありません。私たちには、お客さまの建物の価値を長期に渡り維持させる責任があります。例えお客さまの強い要望によるものであっても、そしてそれが一時的あるいは軽微なものであったとしても、法令違反のある建物を提供することはお客さまの不利益に繋がります。時にはお客さまの要望に対し、長期的あるいは本質的な視野に基づいて再考を強く促すこともあります。
私たちは、施工実績を「作品」とは呼びません。
作品という言葉は、作り手目線や提供サイドの独りよがり、といったイメージを想起させるからです。建物の主役は施主であって作り手ではありません。私たちは施主の理念や想いに従うのみ。見た目の派手さやユニークさではなく、お客さまの想いの実現に貢献する、使える建物づくりに集中します。
建築には常に用途があります。これが単なるオブジェやフォリーなどと異なる点です。私たちは、建築におけるデザインも機能に従属すべきだと考えています。
私たちが提供する建物は作品ではなく、お客さまが目的をもって使うためのもの。つまりお客さまは、私たちが提供する建物を通じて何かを手に入れようとしています。だから私たちの仕事は、建物そのものを提供することに留まらず、建物を通じてお客さまが手に入れたい価値を提供することにあるのです。私たちの建物に「なんとなくそういう形になった」はありません。なぜこのような作りになっているのか、そのすべてに理由があります。なぜなら建物のすべてがお客さまの想いと価値に直結していなくてはならないからです。
私たちは、主体性をもってお客さまの価値に貢献する、お客さまの目的成就のための戦略パートナーであり続けます。
いくつかの施設をまとめて保有されている事業所では、長年の営繕を繰り返した結果、必ずしも法令に合致しない状態や既存不適格状態(違法ではないが竣工した後の法改正により法を逸脱している状態)になってしまっているケースがあります。
私たちが行っている「適法化支援サービス」とは、綿密な調査と入念な検討を重ねることで、この不都合な状態を少しずつ解消し、適法な状態に整備していくというものです。適法化支援は改修工事を伴うので建設会社としてもビジネスにはなりますが、新築工事や通常の改修工事に比べて非常に手間のかかる業務です。しかし単なるスクラップ&ビルドではなく、お客さまの事業活動を維持しながら、あるいは既存の資産価値をできるだけ活かしながら、企業活動の安定的永続に向けた支援をさせていただきます。
三和建設は、今後この3つの軸を社会へのレスポンシビリティとして永続させていきます。