三和建設株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:森本 尚孝、以下:三和建設)は、2018年に同期の繋がりやコミュニケーションの質の向上をはかるための社員寮「ひとづくり寮」を建設しました。その結果、2020年以降の入社3年以内の離職率ゼロを実現したことを発表します。
2008年、現社長の森本が就任した当時の三和建設は、3年間の平均離職率約50%。建設業界の平均的な離職率27.8%※よりも高く、せっかく採用した社員が3年以内に退職してしまうという課題を抱えていました。
この要因として、建設業界特有の3K(きつい、汚い、危険)に加え、バブル崩壊後の採用控えが挙げられます。15年前の当社は、ロストジェネレーション世代が少数であるがゆえ、入社後すぐに配属された新入社員は40歳以上のベテランと2人だけという建設現場が珍しくありませんでした。
ベテラン社員は「背中を見て学べ」という育成を受けてきた世代です。自分の経験が礎になり、20年を経た新入社員教育も実践を通して学んでいくOJTに依存した育成でした。さらに、ゼネコンからの現場監督として配属されるものの、現場の施工は長く実務を続けてきた職人の知見が圧倒的です。結果、的確な指示出しや質問をし辛いことも多く、自信の喪失や孤独を感じて退職するケースが多くありました。
このような背景をもとに、2013年に経営理念「つくるひとをつくる」を策定しました。会社にとって社員は手段ではなく目的そのものであり、社員が活躍することに重きを置く経営へと舵をきります。そして、「つくるひと」をつくり続けるため、毎年新しい仲間を迎えていこうと、2016年以降は採用を含めた新入社員への取り組みをさらに強化してきました。その一環として、2018年に同期との繋がりを強固にする社員寮「ひとづくり寮」を完成させました。
これまで新入社員は、それぞれの自宅から建設現場に直行し、同期と顔を合わせる機会がありませんでした。仕事などで悩みが生じたときに、身近に相談できる相手がなく、孤独感を覚える社員も多く存在していました。
新入社員は1年間、ひとづくり寮にて共同生活を行います。自信の喪失、不安や孤独の多い時期に同じ屋根の下で生活を共にすることで、コミュニケーションを活発にして横のつながりを強くする仕組みです。
社員寮の建設においては3つのつくるひとをつくりあう仕掛けを施しました。「一体感を育む仕組み」「部屋に戻るまでに、人に顔を合わせるきっかけづくり」「プライバシーを確保しつつも部屋に必要以上にこもらない仕組み」です。最大20人が入居する寮の仕組みという建設でカバーできるハード面だけではなく、ソフト面ではメンター制度の導入や全社会議や社内大学「SANWAアカデミー」など社員が一同に会する機会を積極的に設けて、関係性を構築するなど両面での取り組みを続けてまいりました。
理念の策定から社内の30以上の制度や仕組みを見直し、「ひとづくり寮」の新設によって社員間のコミュニケーションを育む仕組みを確立させたことで、2020年から4年連続新卒社員の3年以内離職率ゼロを実現しました。
8月10日には「ひとづくり寮」商標を取得いたしました。三和建設は今後も社員の成長を支援し、仲間との連帯感を高めることで働きがいを日々実感できるような組織づくりに努めてまいります。