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工場・倉庫の外壁リフォームにかかる費用を工法別に解説

2023年 RENOVATION

工場・倉庫の外壁リフォームにかかる費用を工法別に解説

工場・倉庫の外壁リフォーム

 

今回は、工場や倉庫などの外壁リフォームについて、主な工法とそれぞれの工事にかかる費用などを解説します。工場や倉庫は、一般住宅と比較すれば、隣接建屋も少なく、風雨や紫外線など、外的要因の影響を受け徐々に劣化が進行し、さまざまな不具合が生じます。

そこで建物の状態をリセットするために必要になるのが、工場や倉庫の改修工事です。定期的に、適切なメンテナンスやリフォームを実施することで、工場や倉庫を良い状態で保つことができるようになり、企業にとってもさまざまなメリットがあります。

そこで当記事では、建物の中でも劣化速度が速い外壁について、外壁リフォームを行うことで得られるメリットや、リフォームにかかる費用を工法別に解説します。
 

外壁リフォームを行うことで得られるメリット

それではまず、適切なタイミングで外壁リフォームを実施することで得られる代表的なメリットをご紹介します。工場や倉庫は、最新設備の導入や新たな人材の確保など、コストをかけなければいけないポイントが多いことや、施設の規模が大きいため、外壁リフォームなどの改修工事に多額のコストがかかるといった理由から、建物の劣化を認識しながらもリフォーム工事が先延ばしにされるケースが多いです。

しかし、適切なタイミングで外壁リフォームを行うと、以下のようなメリットがあります。

 

メリット1 建物の資産価値を維持できる

工場や倉庫の資産としての価値を維持できるという点です。冒頭でご紹介したように、どのような建物であっても、外的要因の影響を受け続け、徐々に劣化し、不具合が発生します。

長期間、建物のリフォームなどを怠り、雨漏りなどの不具合が生じると、資産としての価値が下がります。可能な限り資産価値を維持していくためには、定期的なメンテナンスやリフォームが必要です。なお、近年では外壁や屋根の塗装を行う際、断熱塗料や遮熱塗料を採用し、建物の機能性を高めることで、資産価値の向上を目指すケースが増えています。

 

メリット2 労働災害を防止できる

工場や倉庫について、建物の老朽化を放置していると施設内で働く従業員の労働災害の危険性が高まります。

たとえば、工場や倉庫で雨漏りが発生した場合、床が濡れて、従業員の転倒事故の可能性が高まるでしょう。この他にも、雨漏りによる漏電が発生し、感電事故が起きたり、大規模火災に発展する恐れがあります。

適切なタイミングで外壁リフォームを行えば、外壁からの雨漏りなどを防止し、建物の劣化が原因となる労働災害を防ぐことができます。つまり、工場や倉庫の外壁リフォームは、そこで働く従業員が、安全で安心して働く環境を提供できるというメリットがあります。

 

メリット3 従業員の士気向上や企業イメージの向上

工場や倉庫は、築年数が経過すると、さまざまな部分が劣化します。外壁リフォームなど、建物のメンテナンスが行き届いた工場や倉庫と、塗装剥がれやサビが目立つ工場や倉庫であれば、従業員は前者の建物で働きたいと思うはずです。

建物の外観を良好に保つことができれば、そこで働く従業員も自分の職場環境に満足し、より意欲的に働けるようになると期待できます。また、工場や倉庫は、企業にとってシンボル的な施設となるため、適切な外壁リフォームが行われて、常に綺麗な外観を維持できれば、対外的な企業イメージも向上することでしょう。
 

 

外壁リフォームの工法について

外壁リフォームには主に以下の3つの手法があります。

 

  • 外壁表面の塗り替え(塗装)
  • 外壁カバー工法
  • 外壁張替え

 

一般的に、外壁リフォームというと外壁塗装を行うことがほとんどですが、これ以外にも、「既存外壁材をそのままに、その上から新しい外壁材を貼り付ける」外壁カバー工法や、既存の外壁材を撤去し、新しいものに張り替える外壁の張替えという工法があります。

以下で、それぞれの工法の特徴について、詳しくご紹介します。

 

外壁塗装

外壁の劣化がそれほど進行していない場合や、ひび割れや塗装剥がれなどが生じていても、十分に補修可能な状態と判断される場合には、外壁塗装によるリフォームが選ばれます。

外壁材は、表面に施されている塗装によって防水性が保たれていますが、経年劣化により塗膜が持つ効果は徐々に薄れていきます。塗膜の耐用年数については、使用する塗料の種類によって異なりますが、基本的に塗料の耐用年数を目安に塗装の塗り替えを行って防水性を回復させます。

外壁リフォームを塗装工事で行う場合の費用は、使用する塗料の種類によって異なるので、以下に大まかな費用相場をご紹介します。

  • ウレタン塗料を採用する場合・・・50坪程度で70万円~
  • シリコン塗料を採用する場合・・・50坪程度の場合で80万円~
  • 高機能性塗料(遮熱や断熱など)を採用する場合・・・50坪程度の場合で90万円~

なお、外壁塗装の耐用年数についても、使用する塗料の種類で大きく異なりますので事前に確認しましょう。

 

外壁カバー工法

外壁に剥離や割れが複数あり、既に外壁から雨漏りを起こしている場合、塗装によるメンテナンスでは状態を戻すことができません。既存外壁材について、それなりに劣化しているものの、強度に問題が無い場合には、既存の外壁材を残したまま、その上から新たな外壁材を施工する、カバー工法が採用されます。

外壁カバー工法は、屋根と同じく、既存外壁の撤去工事が不要、廃材の処分費が不要など、下で紹介する外壁の張替えよりも短工期・低コストで実施することが可能です。しかし、外壁が二重になることで、建物への負荷が懸念されることから、新たな外壁材には、軽量な金属サイディングが採用される場合が多いです。

リフォーム完了後は、外壁が二重になるため、断熱性・遮音性が向上するなどのメリットがあります。

外壁カバー工法の費用相場については、新たに設置する外壁材の種類によって変わりますが、金属サイディングの場合、「18,000円/㎡~」です。
 

外壁張替え工事

既存外壁材に顕著な劣化症状がある、既に雨漏りが進行していて外壁内部までダメージがあるなどと言った場合、外壁材を一度撤去し新しい外壁材を張り替える工事が必要です。

外壁の張替え工事は、外壁内部の防水紙などについてもきちんとメンテナンスすることが可能です。したがって、長く外壁のリフォームを怠っていて広範囲に雨漏り被害を受けている場合や、カバー工法によるリフォームに耐えられるほどの強度がすでになくなっている場合に採用されます。

外壁の張替えであれば、新たに採用する外壁材について、自由に選ぶことができるので、建物の外観イメージを大幅にチェンジすることができるのも大きなメリットです。外壁の張替えによるリフォーム費用相場についても、新たに採用する外壁材の種類によって異なりますが、「21,500円/㎡~」を想定してください。
 

まとめ

今回は、工場や倉庫の外壁について、適切なタイミングで外壁リフォームを行うことで得られるメリットや、外壁リフォームを実施する場合の主な工法について解説しました。

工場や倉庫は、企業にとって大切な資産であることから、出来るだけ良い状態を長く保っていきたいと考えるはずです。しかし、どのような建物でも、さまざまな外的要因の影響を受け、徐々に劣化が進行します。そして、建物の劣化を放置した場合、雨漏りなどの不具合が発生し、従業員の労働環境の悪化、建物の資産価値の低下など、さまざまな問題に発展します。

工場や倉庫などの施設は、その他にもコストをかけなければならない部分が多いことから、建物のリフォーム工事は後回しにされることが多いですが、建物の老朽化を起因とした不具合が発生すると、リフォーム工事にかけるコスト以上の損につながる可能性があります。どのような建物でも、適切なタイミングで必要なリフォームを行うことが、最も安価に建物の状態を維持できる方法です。リフォームのタイミングを逃さないよう、定期的に専門業者に点検してもらう体制を作るのがオススメです。

なお、工場や倉庫のリフォームは、事業活動と並行して行えるような工夫が必要となるので、工場や倉庫の建設、改修工事の実績が豊富な建設会社に相談するのが大切です。

 
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この記事の著者

著者 : 辻中 敏

辻中 敏 常務取締役 大阪本店長
1990年三和建設株式会社 入社、2021年同社 専務取締役就任

改修工事は新築以上に経験が求められます。これまでの実績で培ったノウハウを惜しみなく発揮いたします。 特に居ながら改修については創業以来、大手企業様をはじめ数多くの実績があり評価をいただいています。工事だけではなく提案段階からプロジェクトを進める全てのフローにおいて、誠実にお客さまに寄り添った対応を行い、 安全で安心いただける価値を提供いたします。

施工管理歴15年、1級建築施工管理技士、建築仕上げ改修施工管理技術者

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