4月14日、三和建設株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:森本 尚孝、以下:三和建設)が設計・施工を手掛けた衣食住の総合メーカーの倉庫兼本社事務所が竣工しました。着工は2022年5月1日。工事現場の責任者である作業所長は三和建設創業76年目にして初めての女性所長 中嶋佳子(45)が担当しました。
■建設業における女性の就業背景
総務省の「労働力調査」※1によると、建設業における近年の女性就業者数の比率は17.7%で、全産業の平均値である51.7%に比べると建設業で働く女性はとても低い水準です。まして建設現場勤務に従事している女性となれば、さらに少数であると考えられます。
2014年に建設業団体5団体※3と国土交通省が共同で「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を策定し、官民が一体となって、様々な取組を行ってきました。三和建設でも、2016年から女性の施工管理職の採用をスタート、2018年中嶋が入社しました。
創業初の女性所長が登用されるまでには、3K(きつい、汚い、危険)と揶揄される厳しい環境での施工管理職に女性を迎えるにあたり、「難しいかもしれない」というアンコンシャス・バイアス(かくれた気づき)に全社で向き合い、ソフト面では女性特有の体調不良による制度改善やポイント制導入による明確な評価制度、ハード面では女性専用のトイレや更衣室、作業服などのソフト面とハード面双方の整備を行ってまいりました。本工事の竣工をきっかけに、三和建設は「女性に現場は難しい」という「建設業界の常識」に気づきを投じてまいります。
■女性所長 中嶋について
中嶋の入社は2018年8月。当時40歳で前職は建材資材メーカーにて施工管理に従事。在職中、30代後半で1級施工管理技士の資格を取得しています。専門工事会社として建物の部分的な施工に関わっていたとはいえ、「建築一式」での施工管理はまったくの異業種への転職でした。
入社5年、毎年現場プロジェクトに関わり経験を積み、本工事にて初の所長登用となりました。社内にこれまでロールモデル(女性所長)がいない中の所長職、中嶋は、「不安はなかった」と話します。「三和建設はとても信用できる会社だからです。安心できる環境の中、5年間常にベストを尽くし次席として各作業所経験を経て修行させていただいたおかげで、わたしは所長職をやり遂げると確信していました。」と明かしています。
建設現場は今でこそ女性の作業員さんも増えましたが、圧倒的に男性が多いです。そんな中、中嶋が気をつけていたのは『チームビルディング』です。毎日のように大小の決断を行わなければならない作業所運営の中でチームビルディングが破綻していると工程遅延、労働災害、品質管理事故に直結します。「働く仲間同士や協力会社の皆さまとのコミュニケーションを怠らず感謝し、互いに思いやりと尊敬の気持ちを忘れずに接してきました。その積み重ねにおいて日々、仲間同士の力学が合ってくるのを実感しました。」と中嶋が語るように、建設業は他産業と同様に、年齢や性別に関わらず強い志をもつ多彩な人財が活躍できる業界です。
三和建設では、あらゆる可能性を否定せず、熱意を持ちチャレンジを続ける人を受け入れる土壌を整え、社員の活躍と社会にとって有用な建物を提供する技術をもとに建設業のやりがいと魅力を伝えてまいります。
■中嶋の竣工の挨拶
この度、作業所長として監理技術者として作業所運営・管理を任せていただき、責任者として難しい判断に頭を悩ませることも多々ありました。しかし、過去に次席として学ばせて頂いた経験を生かし技術者として日々の研鑽を怠らず、追求することを忘れずにひとつひとつの仕事に実直に向き合いました。
ちょうど5年前、舞い散る桜を眺めながら「何事を始めるのに遅すぎることなんてない」と前職と全く異なる職種に転職しようと奮い立ちました。40歳を過ぎた自分も成長することができ、同じこの桜の季節に2名の所員やお客さま、協力会社の皆さまのおかげで無事に竣工を迎えたことを大変うれしく思います。
■会社概要
商号 : 三和建設株式会社
代表者 : 代表取締役社長 森本 尚孝
所在地 : 〒532-0013 大阪府大阪市淀川区木川西2丁目2番5号
設立 : 1947年5月
事業内容: 総合建設業
資本金 : 一億円
URL : https://www.sgc-web.co.jp/
本件に関するお問い合わせ先
※1 総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約」より
※2 建設業5団体:(一社)日本建設業連合会、(一社)全国建設業協会、(一社)全国中小建設業協会、(一社)建設産業専門団体連合会、(一社)全国建設産業団体連合会)
※3国土交通省「令和3年 建設業活動実態調査の結果」表-1 業種別・職種別常時従業者数によると女性技術職は6%